コクと苦味をクリアに 円錐形ドリッパーで楽しむブラジル深煎り豆
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ブラジル深煎り豆を円錐形ドリッパーで淹れる魅力
ブラジルは世界最大のコーヒー生産国であり、安定した品質とバランスの取れた味わいが特徴です。特に深煎りにすることで、しっかりとしたコクと心地よい苦味、そしてチョコレートやナッツのような香ばしい風味が引き出されます。
一般的に、深煎り豆はフレンチプレスなどで濃厚に淹れるレシピが多く知られていますが、今回は円錐形ドリッパー（ハリオV60など）を使った淹れ方をご紹介します。円錐形ドリッパーは、お湯を注ぐスピードによって抽出速度をコントロールしやすく、同じ深煎り豆でもクリアで雑味の少ない味わいを引き出すことができるのが特徴です。
この記事では、ブラジル深煎り豆の美味しさを最大限に引き出す、円錐形ドリッパーを使った具体的な淹れ方レシピを、初心者の方にも分かりやすく丁寧にご説明します。このレシピをマスターすれば、いつものブラジル深煎り豆が、また違った表情を見せてくれるでしょう。
この淹れ方に必要なもの
ブラジル深煎り豆を円錐形ドリッパーで淹れるために必要な器具と材料はこちらです。初めての方でも特別なものは必要ありません。
- コーヒー豆: ブラジル深煎り豆 20g
- 挽き目: 中粗挽き（グラニュー糖よりやや粗いくらい）
- お湯: 300ml（抽出に使用するのは約280ml）
- 湯温: 90℃
- ドリッパー: 円錐形ドリッパー（1〜2杯用推奨）
- ペーパーフィルター: 円錐形ドリッパー用
- サーバー: コーヒーを受けるための容器
- スケール: コーヒー豆とお湯の量を正確に計量するために使用します。
- タイマー: 抽出時間を計るために使用します。
- ケトル: 細く安定してお湯を注げるものが望ましいです。
具体的な淹れ方手順
それでは、ブラジル深煎り豆を円錐形ドリッパーで淹れる具体的な手順を見ていきましょう。
ステップ1：準備
- ペーパーフィルターの接着部分を互い違いになるように折り、ドリッパーにセットします。
- サーバーをスケールに乗せ、その上にドリッパーをセットし、スケールの表示をゼロにします。
- ケトルに90℃のお湯を準備します。
- フィルターをリンス（お湯で湿らせる）します。ドリッパーにセットしたペーパーフィルター全体にお湯を少量回しかけ、サーバーに落ちたお湯は捨ててください。これにより、フィルターの紙臭さを取り除き、ドリッパーとサーバーを温めることができます。
ステップ2：コーヒー豆のセット
- 中粗挽きにしたブラジル深煎り豆20gを、リンス後のドリッパーに平らになるように入れます。
- サーバーが乗ったスケールを再びゼロにセットします。
ステップ3：蒸らし
- タイマーをスタートさせると同時に、コーヒー豆全体が湿るように、粉の中心から外側へ円を描くようにゆっくりとお湯を注ぎます。このとき、フィルターに直接お湯がかからないように注意します。
- 注ぐお湯の量は、豆の重さの約2倍、つまり20gの豆に対して40mlが目安です。粉全体が均一に湿り、コーヒーがプクッと膨らむのを確認します。これを「蒸らし」と呼びます。
- そのまま30秒間待ちます。コーヒーが新鮮であればあるほど大きく膨らみ、ガスが抜ける音が聞こえることがあります。
ステップ4：本抽出
- 蒸らしが終わったら、残りのお湯を数回に分けて注いでいきます。中心から外側へ向かって円を描くように、ゆっくりと、そして絶え間なくお湯を注ぎます。フィルターに直接お湯がかからないように引き続き注意します。
- 1回あたりのお湯の量は、スケールを見ながら50ml〜80ml程度が目安です。円錐形ドリッパーは抽出速度を注ぎ方で調整できますが、今回は深煎り豆のクリアさを出すため、比較的スムーズに抽出を進めたいので、細すぎるよりは一定の太さで安定して注ぐことを意識してください。
- 目標の抽出量である約280mlになるまで、この作業を繰り返します。スケールの表示が280gになったら、お湯を注ぐのを止めます。
- タイマーで抽出時間を計ります。深煎り豆の場合、トータルの抽出時間は2分30秒から3分程度を目安にすると、バランスの良い味わいになりやすいです。時間が大幅に短い場合は挽き目が粗すぎるかお湯の温度が高い可能性があり、長すぎる場合は挽き目が細すぎるかお湯の温度が低い可能性があります。
- ドリッパーからコーヒーが完全に落ちきったら、ドリッパーをサーバーから外します。
ステップ5：完成
- サーバーを軽く揺らして濃度を均一にします。
- 温めたカップに注ぎ、ブラジル深煎り豆のクリアなコクと香ばしい香りをお楽しみください。
美味しく淹れるためのポイント・コツ
- 挽き目と湯温のバランス: ブラジル深煎り豆は浅煎りや中煎り豆に比べて成分が出やすく、細かく挽きすぎたり湯温が高すぎたりすると、苦味や雑味が出やすくなります。円錐形ドリッパーでクリアさを出すためには、推奨している中粗挽きと90℃の湯温が重要です。豆や挽き具合によって調整が必要ですが、この設定を基本として試してみてください。
- 蒸らしの重要性: 蒸らしは、コーヒー豆からガスを適切に抜き、お湯が豆全体に均一に行き渡るようにするための大切な工程です。しっかりと蒸らすことで、その後の抽出がスムーズになり、ムラなく美味しい成分だけを引き出すことができます。
- 注ぎ方のコントロール: 円錐形ドリッパーは、中心から外側へ円を描くように注ぐのが基本です。フィルター壁にお湯を直接かけると、豆を経由せずにお湯が流れ落ちてしまい、濃度が薄くなる原因になります。湯量の目安はありますが、ご自身の注ぎやすいリズムで、粉全体が膨らみを保つように優しく注ぐことを心がけてください。
- 抽出時間の確認: 抽出時間も味の重要な要素です。目安の時間から大きく外れる場合は、挽き目を調整するなどして、理想の抽出時間になるように練習してみてください。
まとめ
今回は、ブラジル深煎り豆を円錐形ドリッパーで淹れるレシピをご紹介しました。円錐形ドリッパーを使うことで、ブラジル深煎り豆本来のしっかりとしたコクや香ばしさはそのままに、クリアで後味の良い一杯を抽出することができます。
ご家庭でこのレシピを試していただき、ブラジル深煎り豆の新しい魅力を発見していただければ幸いです。必要な器具を揃え、ご紹介した手順とポイントを参考に、ぜひ美味しい一杯を淹れてみてください。